お遍路旅行 八十八カ所の回り方・プランのご紹介お遍路旅行 八十八カ所の回り方・プランのご紹介

お参りの方法には、「歩き遍路」「バスでの遍路」「タクシーでの遍路」「レンタカーでの遍路」「自家用車での遍路」があります。
それぞれメリット・デメリットがありますので、よくご検討の上、自分に合った回り方を考えましょう。

一番いいお参りの方法

1.歩き遍路

遍路の本来の姿である「歩き遍路」は、四国の美しい自然と土地の人とのふれ合いを満喫できます。延べ約1,400kmの道のりは、険しい山道あり、アスファルトの道ありと苦労も多いが、結願後の達成感はひとしおです。今の世間では無くなりつつあるお接待の文化に触れ、人の温かさに感動し、自分という人間・人生を再確認できる旅です。
ただ、簡単に歩けると思ってお越しになられる方が多いです。健脚の方でも約10kgの荷物を背負って歩かれることは少ないと思いますので想像以上に大変です。1日かけて山を登らないといけない所、歩けなくなってもタクシーなど交通機関が無い所、宿泊施設がない所など難問が山積しております。また、体力的、精神的に大変きつく、約70%ぐらいの方が途中でギブアップされております。近頃は、物騒な世の中ですので、しっかりしたお宿にお泊りになる事、午後4時30分ぐらいには、お宿に入られることをお勧め致します。お宿のご予約は、歩かれる方の体力、速度によって宿泊地が変わってきますので、お昼ぐらいに午後4時ぐらいまで歩けるお寺を判断し、その近くのお宿をご自身で予約するようになります。
こちらにお越しになる前にしっかりとした計画(お寺間の距離、お遍路路の地図、どこで宿泊するか)と体力作りをお勧めいたします。

2.タクシーでの遍路

タクシーでの遍路は、お寺の門前まで入れますのでお足の悪い方、体力の無い方でも無理なくお参りが出来、また、お遍路の日数も一番少なくてすむのが特徴です。タクシー運転手は、「先達」資格を持った者が乗務し、お参りの作法やお寺のいわれをお伝えし、般若心経も一緒に唱えますので本当のお参りが出来ます。
気の合った仲間、ご夫婦でゆっくりと、時には観光も楽しまれてはいかがでしょうか。途中、運転手の配慮で時間が有れば、歩き遍路の体験も出来ます。ただ、1名様や2名様でのご利用だと旅行代金が高くなるのが難点です。5名~8名様ぐらいでご利用するとかなりお安く回れます。

3.バスでの遍路

バス遍路は、一番手軽に参加できるツアーです。西日本(特に山陽・近畿・愛知など)の地域から募集による日帰り・1泊2日程度のツアーが沢山出ております。ツアーには、「先達」が大抵はついておりますので、本来のお参りができます。お一人様からお試し感覚で参加出来ます。
ただ、期間が長いツアーはあまりなく、関東から東の地区では募集のバスツアーはあまり無いのが現状です。団体行動ですので自由な時間があまり無く、駆け足的に回らなければなりません。また、バスは門前まで入れませんので、現地のタクシーに乗り換えたり、かなり歩かなければならない所が多いです。体力の無い方、足の悪い方には少しきついかも知れません。

4.レンタカー遍路・自家用車遍路

近頃は、お車にナビが付いており、ご自由に回れるのがいいですね。費用的にも安く行けます。ただ、かなり細い道や山道が結構ありますので、運転に自信がある方にお勧めいたします。事故が沢山発生しております。また、ナビが付いていても道を間違える方が多く、余分に時間がかかっておりますので、できるだけゆっくりとした行程で巡られることをおすすめ致します。「先達」が付いていないので、自分流のお参りになり、作法やお寺の由来、般若心経が分からずただご朱印を取るスタンプラリーのようなお参りになりがちです。事前に四国八十八ヶ所霊場についての知識を習得する事をお勧め致します。

歩く距離(歩く距離が長い順番)

1.歩き遍路

当然、歩き遍路が一番長いですね。全周で1,400kmもありますので、歩き通せた方はすごく尊敬致します。すごい精神力の持ち主ですよね。
途中、遍路ころがし(お遍路が疲れ果てて転げ落ちそうになる急な山道や階段)は、12番焼山寺、45番岩屋寺、71番弥谷寺などがあります。他にも、多少きついお寺もございます。
でも、歩き通せた後の達成感は、涙ものですよ。

2.バス遍路

バスでの巡拝は、お寺の門前まで入れるお寺は約半分強ぐらいです。他のお寺は少し歩かなければならないか、現地タクシーに乗り換えするかになります。歩く距離としてはかなりありますので、団体行動が出来るよう、足腰を鍛えてからご参加するようにしましょう。

3.タクシー遍路・レンタカー遍路・自家用車遍路

普通車・ジャンボタクシーまででしたらほとんどのお寺の門前まで入れますので、歩くところは境内のみになります。それでも、階段が多いお寺や境内が広いお寺が沢山ありますので、楽というイメージは持たない方が良いと思います。
長い距離を歩かなければいけないお寺は、45番岩屋寺や71番弥谷寺などがございます。ご高齢者、体力が無い方、足腰が弱い方、時間がない方には一番お勧めです。

巡拝費用の高い順番(参加人数にもよりますが)

1.歩き遍路

1番から88番まで歩いて足の速い人で45日、遅い人で60日ぐらいかかります。かかる費用として宿泊費に一番費用がかかります。平均50日で回ったとして、お安い宿泊施設に泊まった場合、7,500円×50日で375,000円、その他昼食代や納経代、途中の交通費などで約50万~60万円ぐらいかかります。歩き遍路は、1日1万円必要と言われ、贅沢遍路とも呼ばれております。

2.タクシー遍路

1番~88番まで回る所要日数は、約10日間、高野山まいりをすれば約11日間で回れます。巡拝旅行の費用は、ご参加人数によりますが、1番から88番まで回ったとして、8名様ご参加でお一人当り23万円ぐらい、2名様ご参加でお一人当たり45万円ぐらいです。6名様以上で貸切タクシーで巡ると、バス遍路よりお安く回れます。費用はかなり高くなりますが、お一人様でのご参加も増えております。
2回に分けて回ると、5泊6日で8名様参加でお一人当り12万円ぐらい、2名様参加でお一人当たり24万円ぐらいです。今は、2回に分けて巡るプランと1回で巡る全周めぐりにご参加される方が多いです。
当社では、旅行代金がお安い「乗合いタクシー遍路」を設定しております。1回で巡るツアー「四国八十八ヶ所と高野山めぐり11日間」を2名様ご参加で一人当たり284,000円です。

3.バス遍路

1番~88番まで回る所要日数は、約12日間、高野山まいりをすれば約13日間で回れます。募集型のバスツアーは、1番~88番までを日帰り・1泊2日の行程で12回~15回に分けて回ることが多いようです。
全行程の費用を合計しますと、約26万円~28万円ぐらい必要です。1回目の巡拝旅行の旅費はかなり安く設定してありますが、2回目以降、だんだんと高くなり合計すると結局28万円ぐらいはかかっております。

4.レンタカー遍路

1番~88番まで回る所要日数は、約11日間~12日間、高野山まいりをすれば約13日間で回れます。費用としては、1番~88番を回ったとして、スタンダードのレンタカーを11日間借りた場合、ガソリン代、宿泊費、昼食代、ロープウェイ料金、有料道路、駐車料金など合わせて2名様ご参加でお一人当たり24万円~29万円ぐらいです。

5.自家用車遍路

1番~88番までの所要日数は、レンタカーと同じぐらいです。費用として、ガソリン代、宿泊費、有料道路、ロープウェイ料金、駐車料金などを合わせて2名様ご参加でお一人当たり19万円~25万円ぐらいです。

基礎知識

四国八十八カ所の由来

弘法大師が42歳のとき、四国八十八ヵ所の霊場を開いたとされている。また、弘法大師入定後、高弟真済がその遺跡を遍歴し始まったとされる説がある。八十八という数は、煩悩の数や、「米」の字を分解したもの、または男42、女33、子供13の厄年を合わせた数などという説がある。

十善戒

【一】不殺生(ふせっしょう)
殺生することなかれ
【二】不偸盗(ふちゅうとう)
盗むなかれ
【三】不邪淫(ふじゃいん)
邪淫することなかれ
【四】不妄語(ふもうご)
偽りをいうことなかれ
【五】不綺語(ふきご)
虚飾の言葉をいうことなかれ
【六】不悪口(ふあっく)
悪口をいうことなかれ
【七】不両舌(ふりょうぜつ)
二枚舌をつかうことなかれ
【八】不慳貪(ふけんどん)
貪ることなかれ
【九】不瞋恚(ふしんに)
怒ることなかれ
【十】不邪見(ふじゃけん)
よこしまな考えを起こすなかれ

四国八十八カ所の三信条

  • 摂取不捨の御誓願を信じ、同行二人の信仰に励む。
  • 何事も修行と心得て愚痴、妄語を慎む。
  • 現世利益の霊験を信じ、八十八使の煩悩を消滅させる。

寺での巡拝順序

  1. 山門や仁王門に一礼して境内へ入る。
  2. 水屋で口をすすぎ、手を洗う。
  3. 鐘楼で鐘を撞く。
  4. 本堂の納札箱に納め札、写経を納める。
  5. 続いて、お灯明、線香、賽銭をあげる。
  6. 合掌し、心静かに読経(御詠歌、回向文など)する。
  7. 大師堂へ行き、本堂と同様に参拝する。
  8. 納経所で納経帳に朱印をもらう。

読経の順番

  1. 合掌礼拝(がっしょうらいはい)
  2. 開経偈(かいぎょうげ)
  3. 般若心経(はんにゃしんぎょう)
  4. 御本尊真言(ごほんぞんしんごん)
  5. 光明真言(こうみょうしんごん)
  6. 御宝号(ごうほうごう)

お四国のしきたり

  • お宿では先ず、金剛杖を洗う。
    宿に入る時には先ず、金剛杖の先(大師の御足)を洗って宿に入ります。
  • 橋の上ではお杖をつかない。
    お大師様が、橋の下で寝すまされるようなご苦労をなされたことから、お遍路さんは橋の上では杖(金剛杖)をつかなくなりました。

遍路用語

衛門三郎(えもんさぶろう)の物語

四国を巡礼中の弘法大師が、ある日、愛媛県松山市の郊外の大きな屋敷に托鉢に訪れた。そこの主人の衛門三郎は強欲で、何度も訪れる乞食僧(大師)を追い払い、最後には大師が持っていた鉄鉢を八っつに割ってしまった。その後大師は衛門三郎の屋敷を訪れることは無かったが、三郎の子供八人が次々と亡くなった。そこで、三郎は托鉢に訪れた人が弘法大師と気付き、今までの自分の行いを悔い、大師を求めて遍路の旅に出ました。
しかし、簡単には会えない。二十数回目に、一番から順番に回るのをやめ、逆に回り始めた。心身とも疲れ果て、十二番の焼山寺で倒れてしまう。意識が遠のいていくときに、大師が現れ、罪を許してもらった。最後の望みとして、「今度、生まれ変わるときは、領主になりたい」と願った。そこで大師から衛門三郎と書いた小石を授けられ、それを握ったまま死んでしまいました。
その後伊予の領主に男の子が生まれました。ところが、その子の手はしっかりと握ったまま開かない。困り果て、安養寺(今の石手寺)に連れていき、祈念をした。そうすると、手から衛門三郎と書いた小石がでてきました。人々は衛門三郎の生まれ変わりと思い、弘法大師の偉大さを真に受け止めたというお話が、語り継がれています。

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